医学部入試は、学科試験だけでは合格できません。
国公立大学の試験では、基本、学科試験の2日目か3日目に面接試験が行われます。
私立大学では、一次試験を合格した者に対して二次試験として面接試験が課されます。
小論文試験は、実施している大学とそうでない大学がありますが、現在、面接試験は医学部すべての大学で行われています。
つまり、面接試験で評価をもらえなければ、どの医学部にも合格できないということ。
面接試験で落ちるなんてこともありますから、必ず対策をしていきましょう。
この記事では、面接試験の対策方法やよく聞かれる質問、その答え方について紹介・解説します。
医学部入試の面接試験
上に説明したように、医学部受験では必ず、どの大学でも面接試験が課せられます。
面接試験があるからといって、とても特別な対策を何かする必要はありません。
よく聞かれる質問に対して、例えば医師になりたい理由などについて、すぐに答えられるように準備しておいたり、自分の性格や特徴、趣味などについて振り返っておくことが大切です。
面接試験では、総合評価として、面接試験をあまり重視しない大学(面接試験により、合格者が入れ替わることはほとんどない)もあれば、面接試験を点数化し、2次試験による逆転が起こる可能性のある大学もあります。
受験する大学が面接の点数化、段階評価を募集要項などに明示している場合は、必ずしっかりと対策していくと良いでしょう。
さらに一方で、面接試験はサイコパスを落とすためにあるともいわれます。
倫理的に問題のだる受験生を合格させ、医師へと育てるわけにはいきません。
基本的な一般常識、倫理的な考えがあればほとんどの大学で面接により不合格となる場合はありませんが、緊張するととんちんかんな答えを言ってしまうなどという人はしっかりと何度も練習してから面接試験に臨みましょう。
医学部面接試験の対策方法
医学部予備校の面接対策講座を受講しよう
医学部の面接を短期間で勉強するのには、医学部予備校の面接対策講座を受験するのがおすすめです。
ニュースを見ていなくても、ある程度必要な知識を短期間で提供してくれますし、実際に面接の模擬練習を行うことができるので、とても勉強になります。
普段は河合塾や駿台などの大手予備校に通っている人でも、慣れない環境で面接の模擬試験を受けることで、本番さながらの緊張感を練習することができますよ。
本番望む際に持ち込めるハンドブックなどを配布してくれる予備校も多くありますし、3回や5回、場合によっては回数を選べて単発で1回という講座の受講も可能なので、ぜひ調べてみてくださいね。
本・参考書を一冊持って勉強しよう
医学部の面接試験に関する本や参考書を一冊買って持っておくとよいです。
もちろん、ある程度の前提知識取得のためなのはありますが、何といっても、実際に面接試験が行われた場合に持ち込むためでもあります。
待合室では、スマートフォンを使える大学もあれば、使用を禁止する大学もあります。
受験者数が多く、運が悪いと何時間と待たされる可能性もあるので、ぜひ本を持ち込むことをおすすめします。
その時に、大学案内や募集要項などを見るのももちろん良いのですが、それだけでは不安になると思います。
そこで、先に面接に関する参考書を買っておけば、それまでほとんど読んだことのない本であったとしても、本番は必ず緊張をほぐしてくれる助けになること間違いないです。
医学的な記事やニュースに注目しておこう
絶対に必要なことではありませんが、医学部によっては、面接時に今年の医療ニュースや事件、さらに論文などを話題に出してくる大学もあります。
もちろん、受験生は勉強をする日々を過ごしてきたことは面接官は百も承知。
そのため、知らない内容があってもおかしくはないですので、このような内容の質問が聞かれても、「1年間勉強ばかりしていたため、テレビや新聞などを見る機会があまりありませんでした。知識不足で申し訳ありません。」などとはっきりと分からないと答えるのがよいです。
もし知ったかぶりをした場合、それが分かると面接官に悪印象を与えかねません。
さらにもっと良いのは、面接で聞かれる可能性のあるような大きなニュースは把握しておくということです。
面接試験がいざ行われるとなって、その直前に一基にニュースを見たり、面接の質問対策のためにに必死に新聞記事や医学論文などを調べている時間がもったいないですよね。
このような医学的なニュースなどに関しては、1年前から少しずつ少しずつ、医学的なニュースが流れていたらちょっとだけ見てみたり、新聞の一面に新薬や新しい医療の何か機械などが書かれていたらチラ見しておくなど、意識をしておくということが重要です。
常に意識をしておけば、このような医学の話題になった際に面接試験で焦ることもないと思います。
服装のポイントや注意点
浪人生はスーツがおすすめ
現役生で制服のある高校に通っている場合は、制服で行きましょう。
もし制服がない場合でも、きれい目な恰好をしていけば大丈夫です。
浪人生や再受験生の人は、スーツで行くことをおすすめします。
スーツは医学部に合格したら入学式で着ますし、医学生になってからもスーツを着るイベントは何度かあります。
成人式などに行く場合も使えますから、ぜひ一着用意しておくと良いでしょう。
女性の場合は、パンツスーツでもスカートスーツでも大丈夫です。
好きなスーツで、黒もしくは紺色のシンプルなもの、スカートの場合は膝丈で、中にタイツかストッキングを着用すると良いでしょう。
髪の毛をまとめるなど、清潔感を大事に
医師含め、医療の世界は清潔であることが求められますよね。
良い印象を与えるためにも、男性は少量のワックスなどで髪の毛を少し整えるとよいでしょう。
女子で髪の毛の長い受験生は、一つにまとめると好印象です。
また、靴やスーツ・制服の埃に気を付けましょう。
普段着で行く場合も、目立たない色の服装で、なるべくジーンズなどは避けて、きれい目の服を選びましょう。
よく聞かれる質問・テーマは?
医師になりたい理由
最もよく聞かれる質問です。
必ず答えを用意していきましょう。
医師になりたい理由は、何か特別なことである必要はありません。
自分が実際に経験した話や、読んだ本など、思いつかない場合は身近なことを思い出して、明確にしておきましょう。
本学の志望理由
必ず質問してくる大学もあれば、あまり重視していない大学もあります。
医学部は、私立大学の場合基本的にほとんどの受験生が併願しているため、志望理由は、志望理由をしりたいと思って聞いていることはすくないです。
大学側としても、しっかりと事前にこの大学について調べて知ろうとしてくれている姿勢を持っている受験生を入学させたい、合格させたいと思っているはずですよね。
ですから、事前に
医学的なニュース
上にも書きましたが、医療に関するニュースについて、考えなどを聞いてくる大学も一部あります。
AIが臨床に利用されることについてどう思うか。
出生前診断についてどう思うか。
何か興味のある医療ニュースはあるか。
などと、医療ニュースはたくさんあり、これらの質問をすべて予想をしつくすことは不可能です。
日ごろから、少しずつ医療ニュースに耳を傾けて、頭の中の引き出しを増やしておきましょう。
知らない単語が出てきたり、知らないニュースについて聞かれたりしたら、「知りません。教えていただけますか?」などと、思った通りに言いましょう。
自己紹介や趣味
面白いことを聞いてくる大学もあります。
必ず毎年、自分を●●に例えたら?という問題を出す大学なども。
●●というと、動物などがありますが、あなたなら何て答えますか?
必ず用意しておく必要はありませんが、突然聞かれたら驚いて答えられませんよね。
その大学の過去問などは、ネットで調べたらすぐに出てきます。
必ず聞く質問がある大学に関しては、絶対に用意しておきましょう。
他にも、1分間で自己紹介をさせる大学もあります。
事前に募集要項に書いてあることもあるので、見落とさないようにしましょう。
募集要項を見ていないんだな、よく読まない子なんだなと思われないようにしましょう。
長所・短所
これに関しても、毎年必ず聞いてくる大学があります。
その受験生の長所・短所を聞けば、その人の性格や特徴が分かるのはもちろん、医師に向いた人材かどうかまでわかります。
ここで答え方としては、医師になるうえで長所とされることを長所として答え、改善の余地のあることを短所として答えることが重要です。
例えば、手先が器用であること・努力ができること・話をきくことが得意であるなどといった長所は、医師になるうえでとても利用できる長所ですよね。
その反面、協調性がない、勉強の継続などが苦手などといった短所は、改善の余地があまりなく、悪い印象を与えてしまうと思います。
短所は、時間にルーズです、しかし、今後は大学生で一人暮らししたら直していきたいと思っています。などといった答え方をすると、良い印象を与えることができますよ。
高校生時代の部活など
高校時代に励んだことや部活動、委員会については、何か一つ答えられるものを用意しておきましょう。
ボランティア活動や留学経験などもよいでしょう。
それを受けてなにを学んだのか、どのようなことを感じたか、当時のことをしっかりと思い出しておきましょう。
何か勉強以外のことで、高校生時代に励んだことがある受験生は評価されやすいです。
ありません、などといった返答をしないほうが好ましいです。
医学部入試では圧迫面接って本当にあるの?
医学部入試では、圧迫面接が実際に存在します。
筆者も受験生の時、2つほどの大学で圧迫面接を受けて、面接で実際に涙を流してしまったこともあります。
ひと昔前ですと、女性に対しての圧迫面接がよく行われていました。
最近では、そのようなことは問題視されたため、女性に対してというよりも、圧迫面接を行う試験管が一部いるということになると思います。
なぜ圧迫面接を行うのか。
そこには医学部側の理由があります。
それは、少しの圧迫に対して憤慨する受験生などを分別するためです。
少し圧をかけられても、一般的には、受験会場ですし、合否がかかっている面接試験ですし、私たち受験生は我慢をし、耐え、質問に対してしっかりと答えようという姿勢を見せるものだと思います。
しかし中には一部、あおりなどにたいして怒りをあらわにしてしまう受験生もいるのです。
そのような受験生は、性格上問題ありとされ、面接試験の評価が低くされてしまうようになっているのだと思います。
医師は、生死に直面する仕事ですし、患者さんを選ぶなどということはありません。
日々様々な患者さんと接するだけの体力・忍耐力・寛容性が求められます。
圧迫面接に、特別な対策はありません。
面接官はわざと私に圧をかけているのかも、、と冷静に考えましょう。
面接落ちをしないために
ここまえ述べたように、以下のことが守られていれば、きっと面接試験は突破できること間違いありません。
- 最低限のマナー、挨拶や笑顔を忘れずに
- 服装や髪型を清潔にしておくこと
- 知らないことを聞かれたら、知ったかぶりをせず知りませんと答えよう
- 聞かれた質問に忠実に答えよう(質問以上の内容にこたえる必要はなし)
- 本・参考書を持参しよう
- よく聞かれる質問に関しては理由を用意しておこう
- 自分の高校生時代を思い出しておこう
- 不安な人は医学部予備校の面接講座を受講しよう
- 医療ニュースに日々興味をもっておこう
まとめ
今回の記事では、医学部入試の面接試験について、よく聞かれる質問やその答え方、さらに面接対策方法などについてご紹介しました。
必ず面接をしなければ医学部には合格できません。
必要以上にあらかじめ勉強しておく必要はありませんが、常に面接試験を頭において、医学的なニュースなどに興味を持って過ごすと良いでしょう。
不安な人は、本を買って学び、さらには医学部予備校の面接対策講座などを個別に受講することをおすすめします。