医学部入試で必要な志望理由書とは?必要な大学や書き方を解説

医学部大学入試の志望理由書の概要や書き方を紹介

医学部設置大学への受験は、多くの受験生にとって非常に重要な決断です。 医学部は、健康や医療などに関連する多くの領域で社会に求められる人材を育成する学部であり、さまざまな分野でのキャリアアップや社会貢献を果たすことができま […]

医学部設置大学への受験は、多くの受験生にとって非常に重要な決断です。

医学部は、健康や医療などに関連する多くの領域で社会に求められる人材を育成する学部であり、さまざまな分野でのキャリアアップや社会貢献を果たすことができます。

医学部受験は、試験の難易度の高さが非常に有名となっていますが、実は試験を受ける前の段階で医学部志望理由書といった書類を提出しなければいけない場合があります。

本記事では、そんな医学部受験に必要な医学部志望理由書について詳しく解説します。

特に、志望理由書の書き方や対策などに関する情報に焦点を当て、医学部受験に向けた準備に役立つ情報を提供していきますので、医学部受験を考えている受験生は是非この記事を参考にしてください。

医学部志望理由書とは

医学部志望理由書とは

受験生の適性を判断するもの

医学部志望理由書は、医学部入学試験において、あなたが医師になりたいという熱意と決意、未来の夢やビジョン、そしてそれを実現するために必要な大学での学習を説明するためのものです。

大学は、当然熱意を十分に持った受験生を選ぶことを重視しており、選考の最初の段階で確認するであろう志望理由書に熱意が足りなければ、評価が下がってしまうこともあり得ます。

また、大学としても、学生が途中で挫折してしまうのは避けたいため、将来の夢やビジョンを明確に記載することが望ましいです。

入学する必要性も明確に記載して、どうしてその大学でないといけないのかということについて納得できるような文章を作成しましょう。

試験官はこの情報を元に、受験生の適性を判断します。あなたの夢と大学の方向性が一致していることを確認することが大切です。

我流で進めてしまうことによるデメリット

「医学部志望理由なんて自分の好きなことを思った通りに書けば良いんじゃないの」と思う受験生も多くいるでしょう。

しかしその結果、文章の前後関係がめちゃくちゃであったり、結局何が言いたいのかわからない文章だったりが完成してしまい、試験官に悪印象を与えることになってしまいます。

もちろん自分の考えを書くことは重要なことですが、ある程度書くことが決まっていると、それに沿って書いた方がより文章がスッキリします。

従って、志望理由書を独学で好きなように書くのではなく、最低限この記事で書いてあるポイントは押さえた上で書けば周りの受験生に差をつけられるということはなくなるはずです。

将来につながる可能性

このような志望理由書は、例えば就活の段階でもまた書くことになる可能性が高いですから、今のうちにポイントを押さえておけば医学部に合格した後の自分のためにもなります。

志望理由書に時間を割くくらいなら勉強に時間をかけたいという受験生がほとんどでしょうから、この記事を読んで志望理由書をサクッと仕上げてしまいましょう。

良い志望理由書を書くポイントと例文章

良い志望理由書を書くポイントと例文章
ではここから、良い志望理由書を書くポイント・書き方とその文章例について解説していきます。

もちろん、大学によっては志望理由書に書くべきことが明示されている場合もありますから、その場合はその指示に従って書いていきましょう。

また、今回の志望の枠組み・構成と例文は800-1500字程度のものを想定していますが、他の文字数でも文章を自分なりに膨らませたりすることで、対応することができます。

特に指定がない場合は、以下の形式で書くことがおすすめです。

  1. 自己紹介: 自分の背景、学歴、趣味などに関する簡潔な説明を記載する。
  2. 医学部を目指す理由: 医学に対する興味や関心を明確に示す。例えば、家族や友人の影響、医学に関連するエピソードなど。
  3. 自分の将来像・医師像:医学を学ぶことで得られるスキルや経験を活用して、将来どのような医師になりたいかを明確にする。
  4. 医学部設置大学の志望理由:医学部の中で、なぜその大学を選んだのか

簡単な自己紹介

まずは、書き出しとして自分の背景、学歴、趣味などに関する簡潔な説明を記載しましょう。

自分が何者なのか、そしてどのような人生を送ってきたかを明確にすることで、試験官に自分という人間を印象付ける重要なポイントです。

この時点で印象に残らないと、単なる有象無象として処理されてしまう可能性もありますので、手を抜かないようにしましょう。

特に、面接がある大学ではこの志望書の内容を掘り下げてくる場合も多いですから、注意してください。

【例文】
私はXX県にあるXX高校に通っていました。趣味は読書とスポーツで、スポーツの中では特にバスケットボールが好きです。受験勉強中も、勉強の気分転換としてバスケットボールをしてリフレッシュをしていました。また、読書が趣味だと話しましたが、特に旅行についてのルポ記事が好きです。最近はコロナウイルスの影響で旅行にも気軽に行けなくなってしまいましたが、旅行記を読むと現地の状況がありありと想像でき、あたかも自分がその場所にいるかのような気持ちになることができるので、好きです。

ここには書きませんでしたが、奇抜な趣味を持っている方はそのことについて記載しておくとより強い印象を持ってもらえるでしょう。

医学部を目指す理由

自己紹介をしたら、次に医学に対する興味や関心を明確に示して、なぜ医学部を目指すのかということについて書きましょう。例えば、家族や友人の影響、医学に関連するエピソードなどの具体的な話を盛り込むとより良いです。

この医学部を目指す動機がこの志望理由書の中核を担っているといっても過言ではありませんから、筋が通った文章を書きましょう。看護や薬剤師といった他の医療従事者でなく医師にこだわる理由がわかるとなお良いです。

【例文】
私が医学部を目指すきっかけとなったエピソードは、XX年の夏休みに起こったことです。当時、私たち家族は家族旅行中で、そんな時父親が急に胸が痛くて呼吸が苦しいと訴えました。只事ではなかったので急いで救急車を呼び、病院で治療を受けたところ、父は元気な姿で私たちの元へ戻ってきました。私は、その時父の治療にあたっていた医師たちの情熱と専門知識、そして迅速に処置を行なっていく様子に感銘を受けました。それ以来、私は困っている・苦しんでいる患者を救うことができるような医師になりたいと強く願うようになりました。患者を救うことでその患者さんが笑顔になることはもちろんのことですが、その患者さんの周囲の人も笑顔になります。私があの時の安心した気持ちと、母の安堵の涙を忘れることは生涯ないでしょう。このエピソードをきっかけに、私は医学に関連する本を読んでみたり、イベントに参加したりして、さらに医学に対する知識を深めました。今日まで、医師としての仕事に対する情熱は衰えていません。

自分の将来像・医師像

自分の自己紹介、そして医学部の志望理由をしっかりと書いてきたので、次は医学を学ぶことで得られるスキルや経験を活用して、将来どのような医師になりたいかを記載していきましょう。

ひとつ前の項目である医学部を志望するきっかけとなったエピソードと繋がりを持った文章であるとなお良いです。

また、可能であれば医学部卒業後にどのような診療科に進みたいのかが分かると、より医学部に行きたい気持ちが伝わるかと思います。

【例文】
前述のような経験があり医学部を志望しましたが、将来私は一流の医師として活躍することを夢見ています。私が抱いている医師像は、私の父を治療してくれた医師のように、患者さんを最優先に考え、専門知識を活かしながら丁寧かつ迅速な治療を行ない、心も体も健やかにすることを目標に持つものです。また、患者さんとのコミュニケーションもしっかりと行い、その患者さんの意見や要望を尊重しながら、最善の診断と治療方法を提案することができる医師になりたいと考えています。
そんな私ですが、現時点では心臓外科医を志望しています。心臓外科医は、例えば大動脈解離といった命に関わる疾患の手術を行います。また、心臓や肺といった重要臓器が存在する胸を開いて手術をすることが多いため、種々の合併症も重篤なものになることが多いと聞きます。そんな緊張感の中で、困っている患者さんを救いたい、そんな気持ちから私は心臓外科医を志望しています。

医学部設置大学の志望理由

そして、最後の締めに数ある医学部設置大学の中でなぜその大学の医学部を選んだのかということについて記載していきます。

その医学部設置大学を選んだ理由としては、どんな側面で切り込んでもいいですが、尊敬している教授がその大学にいるからであったり、自分の学びたい分野・研究において優れているのがその大学であるからだったりというものが書きやすいでしょう。

地元がその地方で、地域医療に力を入れているといったものも十分な理由になり得ます。

【例文】
私が貴大学を志望する理由としては、心臓外科の○○教授が貴大学で教鞭を執っているうからというものが最も大きなものです。
○○教授は、現在のXXの外科治療において標準的な術式となっているXX手術を編み出した方で、心臓外科を志望している私は、以前テレビのドキュメンタリー番組(ドラマ)を見て感動したことを覚えています。そんな○○教授の元で学びたいという強い気持ちがあり貴校を志望させていただきました。

医学部志望理由書が必要な大学の例

医学部志望理由書が必要な大学の例
それでは、最後に医学部志望理由書が必要な大学の例を見ていきましょう。

国公立大学1校、私立大学1校の順に見ていきます。

※最新の情報は、各大学のホームページ・アドミッションポリシー等を確認してください。

九州大学医学部医学科

国公立大学医学部の志望理由書の例として、九州大学医学部医学科について見ていきましょう。

九州大学の志望理由書は、募集要項によると、以下のようになっています。

「なぜ本学科を志願するに至ったか」を、将来像も交えて、志願者本人が記入(自筆)してください。

なお、他大学に在学したことがある者、社会人として経験を有する者は、それを踏まえた上で記入してください。

参考:令和3(2021)年度 九州大学医学部医学科 志願理由書
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/41659/R3_ippanyoukou_youshiki05.pdf

九州大学医学部の志望理由書は、フリースペースで上記のようなことについて書く形式となっています。

前述した志望理由書の構成がほとんどそのまま使うことができる形になっていますね。

順天堂大学医学部医学科

私立大学の例として、順天堂大学医学部の志望理由書について見ていきましょう。

順天堂大学の志望理由書は、募集要項によると

  • これまで行なった特徴的な活動
  • 本学志望の理由・医学部志望の動機等

を記載することになっています。

参考:順天堂大学入学志願票の見本
https://med.juntendo.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00039035.pdf&n=2023年度_医学部入試_志願票(見本).pdf

一つ目の、これまで行なった特徴的な活動には、自己紹介を含めてプラスアルファで今までの経験を書きます。

そして、二つ目の本学志望の理由・医学部志望の動機等は、まさに前述した医学部志望理由書の書き方に当てはめれば書けるものとなっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

医学部の志望理由書とは何か、どのようなことに気を付けて書けば良いのか・書き方、そして医学部志望理由書を課している大学の具体例を見てきました。

余裕があれば、第三者に添削をしてもらうことでより良い文章になりますから、その点も意識してみると合格の可能性がより近づくでしょう。

医学部の志望理由書は、医学部受験において第一歩となるステップですから、ここでつまづかないように、皆さんの想いを試験官に全てぶつけるつもりで書いていきましょう。

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