医学部入試倍率ランキング

国公立・私立大学医学部入試倍率をランキングで解説

医学部入試倍率ランキング

少子化も関係なく高い入試倍率を誇る医学部を大学別ランキングでまとめています。

目次

医学部医学科の入試倍率を紹介

少子化にコロナ禍の影響も加わり、医学部受験生は減るのではと見られていましたが、医学部人気は衰えることがありません。

倍率はやや横ばいで推移しているものの、他学部に比べると医学部の倍率は飛び抜けています。

実際に医学部入試はどれくらい倍率が高いのかを、「医学部情報2022(河合塾)」に基づいて国公立と私立それぞれにランキング形式でまとめてみました。

医学部受験生は一度確認しておくと、志望大学はどれくらいの倍率を突破する必要があるのか参考になるはずですので、医学部受験対策の1つとして活用してみてください。

国公立大学医学部の一般入試倍率ランキング【2022年】

国公立大学医学部の一般入試倍率ランキング【2022年】
医学部の選抜方式には「一般枠」と「地域枠」ありますが、ここでは「一般枠」の倍率を取り上げています。

国公立〈前期日程・一般枠〉倍率ランキング

順位 大学名 倍率
1 岐阜大学 10.4
2 愛媛大学 7.1
2 島根大学 7.1
4 広島大学 6.9
5 福井大学 6.7
6 香川大学 6.6
7 奈良県立医科大学 6.5
8 福島県立医科大学 6.2
9 長崎大学 6.0
10 宮崎大学 5.6
11 岡山大学 5.5
12 山形大学 5.4
12 滋賀大学 5.4
14 三重大学 5.2
15 熊本大学 5.1
15 弘前大学 5.1
17 琉球大学 4.9
18 佐賀大学 4.6
19 旭川医科大学 4.5
20 群馬大学 4.4
21 東京大学 4.3
21 新潟大学 4.3
23 札幌医科大学 4.2
24 秋田大学 4.0
24 信州大学 4.0
24 高知大学 4.0
27 山口大学 3.9
27 大分大学 3.9
27 鹿児島大学 3.9
30 東京医科歯科大学 3.8
32 和歌山県立医科大学 3.7
33 浜松医科大学 3.6
34 北海道大学 3.4
35 横浜市立大学 3.3
36 東北大学 3.1
36 千葉大学 3.1
36 富山大学 3.1
39 筑波大学 3.0
40 金沢大学 2.9
41 九州大学 2.8
42 京都府立医科大学 2.9
43 大阪大学 2.7
43 名古屋市立大学 2.7
43 神戸大学 2.7
43 鳥取大学 2.7
43 徳島大学 2.7
48 京都大学 2.6
48 北海道大学 2.6
49 大阪公立大学 1.9
50 名古屋大学 1.7

※山梨大学は後期日程のみで前期日程はありません。

国公立〈後期日程・一般枠〉倍率ランキング

順位 大学名 倍率
1 山口 45.0
2 岐阜 40.5
3 旭川医科 27.6
4 千葉 26.7
5 奈良県立医科 24.7
6 佐賀 22.7
7 三重 21.3
8 宮崎 18.8
9 山梨 18.0
10 山形 17.9
11 秋田 17.0
12 東京医科歯科 16.6
13 鹿児島 16.3
14 福井 15.9
15 琉球 14.1
16 浜松医科 9.1

国公立大学医学部倍率は、私立医学部に比較すると高くはありません。

これは、国公立大学医学部は共通テストで自己採点を行った後に出願すること、そして、私立大学医学部のように併願受験ができないことから合格できる可能性の高い医学部へ出願するため、倍率が大きく上がることはないのです。

私立の場合は、併願受験も可能なので、とりあえず受験しておくという人も多いうえに1人10大学出願することも珍しくないので志願者倍率は自然と高くなります。

ただし、国公立大学医学部の後期日程はランキングを見ても分かるように非常に倍率が高いです。

これは、募集定員が少ないことと、最後のチャンスとしてダメもとでも出願する受験生がいることが要因となっています。

私立〈前期日程・一般枠〉倍率ランキング

順位 大学名 倍率
1 帝京大学 38.6
2 東海大学 26.1
3 東邦大学 23.4
3 川崎医科大学 23.4
5 自治医科大学 19.2
6 近畿大学 16.9
7 聖マリアンナ医科大学 16.7
8 関西医科大学 16.0
9 埼玉医科大学 15.5
10 北里大学 15.2
11 独協医科大学 14.8
12 杏林大学 13.3
13 久留米大学 13.2
14 福岡大学(系統系) 13.1
15 金沢医科大学 12.7
16 順天堂大学(A方式) 11.3
17 日本医科大学 11.2
18 昭和大学 10.7
18 産業医科大学(共通テスト) 10.7
20 日本大学(A方式) 10.4
21 大阪医科薬科大学 10.1
22 岩手医科大学 9.6
23 愛知医科大学 8.2
24 国際医療福祉大学 8.1
25 慶応義塾大学 7.3
25 兵庫医科大学(A方式) 7.3
27 東京慈恵会医科大学 7.0
28 東京医科大学 6.5
29 藤田医科大学 6.4
30 東北医科薬科大学 5.0
31 東京女子医科大学 4.8

※産業医科大学は私立でも共通テストが必須です。

私立〈後期日程・一般枠〉倍率ランキング

順位 大学名 倍率
1 久留米 76.4
2 金沢医科 73.5
3 昭和(Ⅱ期) 65.7
4 大阪医科薬科 56.9
5 近畿 51.6
6 埼玉医科 50.8
7 日本医科 41.8
8 藤田医科 32.0

私立大学の倍率は、国公立と違って20倍以上(前期)の医学部も少なくありません。

私立の倍率が高くなる要因として、私立は併願受験が可能なこと、国公立よりも偏差値が下がることから多くの受験生が志願することが挙げられます

後期日程は、私立も最後の駆け込みとして多くの受験生が少ない募集定員に殺到するため、久留米大学のように75倍以上にもなる私立医学部も出てくるというわけです。

受験生の効果的なデータ活用法

受験生の効果的なデータ活用法

年度によって各医学部の入試倍率は変化する

医学部倍率は毎年変動します。

前年度の倍率が高い医学部は、当年度は受験生がその医学部を敬遠するため倍率が下がり、逆に前年度の倍率が低い医学部は当年度は「ねらい目」として志願者が増加して倍率が上がる「隔年現象」が起りやすいからです。

さらに、試験会場の増減や日程によっても倍率は変わってきます。

倍率が低いから合格できるわけではない

入試倍率ランキングで下位の大学なら合格しやすいかと言えばそうではありません。

国公立医学部のように、倍率が低くても受験者層は偏差値の高い生徒が占める医学部もあります。

また、私立医学部の場合は併願受験が可能なので、偏差値が下位のほうでもチャレンジ受験や記念受験として有名医学部に出願するケースも例年多く見られます

したがって、「倍率≠難易度」であり、年度によって変化することも多いので、倍率だけで志望大学を選ぶことは回避しましょう。

2023年度入試で注意したい大学はどこ?

東海大学

東海大学医学部は2023年度の入試から、一般選抜の試験範囲より「数Ⅲ」を除外すると発表しました。

高校数学の中でも最後の門番として立ちはだかる数Ⅲが試験範囲から除外されることで、これまで数Ⅲがあるからと回避してきた医学部再受験生や数学が苦手な受験生が視野に入れてくる可能性は高いです。

また、よりいっそう英語などほかの科目の重要性が高まると言えるので、英語で差をつけやすい医学部再受験生には有利に働くかもしれません。

したがって東海大学医学部の2023年度の入試では、倍率がかなり上がると予想され、それに伴って合格難易度もかなり上がると思われます。

関西医科大学

関西医科大学医学部は2023年度の入学者から、今までの学費総額が2770万円だったのを670万円引き下げ、総額2100万円とすることを発表しました。

これは国際医療福祉大学医学部、順天堂大学医学部の次に安く、学費の安い医学部ランキングで3位に躍り出ることになります。

順天堂大学のように学費を大幅に下げることで、新御三家と呼ばれるまでに人気・難易度が高まるケースもあるので、関西医科大学医学部でも同様の動きがみられると予想されます。

特にこれまで地理的に離れているということで、首都圏の学生は敬遠している傾向にありましたが、この学費の安さであれば関西医科大学医学部を受けに行こうとする学生は増えるでしょうから、やはり倍率・難易度の上昇が見込まれます。

大阪医科薬科大学

同じく関西の2トップのもう一校、大阪医科薬科大学医学でも値下げの動きがあります。

大阪医科薬科大学医学部では2023年度の入学者から、今までの学費総額が3141万円だったのを300万円引き下げ、総額2841万円とすることを発表しました。

関西医科大学医学部ほどではないですが、こちらも大幅な値下げなので全国から優秀な学生が受けてくるでしょう。

また大阪医科薬科大学医学部には独自の専願制入試制度である「至誠仁術」入試がありますが、それの学費減免を適用すると今まで2184万円だったのが、2023年度の入学者からは2034万円となります。

専願制ではありますが、この制度を使えば関西医科大学よりも安く学費を済ませることが可能なので魅力的にうつるでしょう。

したがって大阪医科薬科大学医学部も2023年度入試から大幅に倍率・難易度は上がると予想されます。

倍率情報もより重視したいポイント

倍率情報もより重視したいポイント

入試科目や得点配分はどうか

倍率がどんなに低くても、自分の苦手科目の得点配分が高ければ合格の確率は下がります

自分の得意な科目を考慮し、大学選びを行うことが重要です。

国立大学の場合は二次試験での必要教科は大学ごとに大きく違います。

理科を完全に外したものや、逆に理科重点入試などもあるので、自分の個性をしっかり把握したうえで、出願校を決めましょう。

私立医学部の場合、英語・数学・理科2科目を課す大学がほとんどですが、一部の大学では、これと異なる受験科目を課しており、自分の得意科目を生かすすことができる可能性があります。

文系科目が得意な場合は、数学を外して国語受験も視野にいれるとよいでしょう。

数学や理科の負担を軽減できる私立大学

大学名 入試教科
帝京大学 英語(必須)・国語or数学or理科から2科目選択
近畿大学 英語・数学(数Ⅲ除く)・理科(物理・生物・化学から2科目)
東海大学 英語・数学・理科(物理・生物・化学から1科目)
昭和大学 理科(物理・生物・化学から2科目)・英語・国語or 数学

入試問題の出題形式はどうか

入試科目はもちろん、入試問題の出題形式や問題傾向も出願大学を選ぶ大きなポイントになります。

知識には自信、長い文章に対応することが苦手な場合はマーク式。

表現力に自信があり、しっかり理解はできているが、ケアレスミスは多い受験生は記述式の大学を選ぶべきでしょう。

また、英語ならば英作文を課すかどうか、数学ならば数Ⅲがメインになっているのか、理科ならば知識が中心か、考察問題が中心かなどを把握し、自分が対応できるか判断しておく必要あります。

私立医学部の入試問題は大学ごとに傾向がありそこから大きく逸脱することは少ないので、過去5年程度の問題を解いてみて自分が時間内に処理できそうな大学を選びましょう

二次試験を含めて入試日程はどうか

これは倍率に関係することですが、受験年の日程を志望校選びの材料にすることも重要です。

例えば、A大学の二次試験とB大学の一次試験の日程がかぶっている、または前後している場合はB大学の実質の受験者数は減少すると予想されます。

二次試験は必ず本学で行うので、A大学の一次合格をした受験生は移動日程を考えた場合、B大学はあきらめざるをえません。

よってB大学は出願数にくらべ実際に受験する生徒は減少するでしょう

まとめ

今回は、医学部の入試倍率についてまとめてみました。

国公立・私立両方とも高い倍率であることがランキングから見て取れたことと思います。

特に、後期試験は募集人数が少ないため、私立なら80倍を超えるところもあり、厳しい戦いが繰り広げられています。

ただ、中には本気で出願しているわけではない受験生もいますから、倍率が高いからとあきらめる必要はありません。

倍率よりも「受験者層」を見ること。どんなレベルの受験生が多いのかを把握して対策することが大切です。倍率にはあまりこだわらないようにしましょう。

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