現役医学生の解説記事!医学部の学費以外でどれくらいのお金がかかる?

現役医学生が医学部の学費以外のコストを解説

現役医学生の解説記事!医学部の学費以外でどれくらいのお金がかかる?

現役の医学部生が入学後にかかる学費以外の費用について実体験をもとに詳しく解説。

目次

医学部で必要なお金って?

本記事では現役医学部生が、医学部入学後の学費以外で必要なお金についてまとめていきます。

どんな理由で医学部は学費がかかるのか、学生目線で詳しく解説。

医学部を目指す受験生、学費やその他費用で不安のある保護者の方にも必見です!

6年間の大学生活、何をするの?

6年間の大学生活、何をするの?

実習前の座学期間(1~4年生)

無事、大学入試を突破して医学部合格を勝ち取ったら、希望に満ちた大学生活が始まります。

大学生になってすぐでは、全学部共通の教養科目と医学生としての専門科目と併用して受講する大学が多いです。(東大等は別。各大学のカリキュラム一覧を参照。)

学年が上がるにつれ、専門科目に重点が置かれ、基礎医学、臨床医学、解剖実習などを経て実臨床の場に出るまでに膨大な量の知識を短期間で詰め込んでいきます。

試験1科目での暗記量は他学部の比ではありません

医学部生はこの期間、部活動や学費のためのアルバイト、自分の趣味や時間を両立していかねばなりません。

しかし、一番大学生らしい生活や充実した期間でもあります。

実習期間(5~6年生)

座学が終了すると、CBT・OSCEという、全国医学部共通の座学と実技の試験が4年次に課されます。

その試験を突破するとStudent Doctorという称号とともに実習参加が許可されます。

約2年の実習期間の中で、平日朝から夕方まで担当医について患者さんの診察や手術、簡単な処置や手技をします。

よって、土日や平日夜をいかに充実させるかが重要になってきます。

最新の医学部受験・学費情報(国公立・私立別)

最新の医学部受験・学費情報(国公立・私立別)

国公立大学医学部

2021年現在、日本の国立大学医学部の学費はだいたい標準額が決まっています。

学費の内訳で、入学金が282,000円、年間授業料が535,800円になります。

千葉大と東京医科歯科大は2020年より学費値上げにより年間授業料が642,960円となりました。

1年間の学費は他学部と同じなので、他学部より2年間長いのはありますが、この学費は安いと言えます。

ただし、医学部偏差値ランキング・一覧等で知られているように最近は医学部の競争が激化傾向にあり、国公立私立学問わず激戦になっています。

そのランキングも毎年変動はありますが、東大に匹敵するレベルです。

最近では地域枠やAO入試で医師として指定の地域での勤務で学費免除等の制度が広がってきています。

また、公立大学医学部の学費は入学金が居住地で異なるなど大学によって異なります。

学費的にはこちらもリーズナブルといえます。

私立大学医学部

私立大学医学部の学費は大学によって大きく異なります。

下記、私立大学の学費ランキングを見ても分かるように、国際医療福祉、順天堂、慶應義塾といった6年間の学費総額が2000万円前後の私立大学もあれば、4700万円前後の学費の高い私立大学もあります。

私立は国公立大学の学費に比べるとかなり高いです。

私立大学医学部の学費ランキング一覧【2021年度】

順位 大学名 6年総額
1 国際医療福祉大学 1850万円
2 順天堂大学 2080万円
3 日本医科大学 2200万円
4 慶応義塾大学 2204万円
5 東京慈恵会医科大学 2250万円
6 自治医科大学 2300万円※1
7 東邦大学 2580万円
8 昭和大学 2700万円
9 関西医科大学 2770万円
10 東京医科大学 2940万円
11 藤田医科大学 2980万円
12 産業医科大学 3049万円※2
13 大阪医科薬科大学 3141万円
14 日本大学 3310万円
15 岩手医科大学 3400万円
15 東北医科薬科大学 3400万円
17 愛知医科大学 3420万円
18 聖マリアンナ医科大学 3440万円
19 東海大学 3500万円
20 近畿大学 3582万円
21 久留米大学 3620万円
22 獨協医科大学 3660万円
23 兵庫医科大学 3700万円
23 埼玉医科大学 3700万円
23 杏林大学 3700万円
26 福岡大学 3760万円
27 北里大学 3890万円
28 帝京大学 3938万円
29 金沢医科大学 3950万円
30 川崎医科大学 4550万円
31 東京女子医科大学 4621.4万円

※1実質負担額は0円
※2実質負担額は11,296,800円(総額)、2,117,800円(初年度)

一般家庭においてはローンを組んでいても払えないような額の学費ですよね。

さらに、私立は学費だけでなく寄付金や施設利用料、同窓会費等別途数百万円単位でかかります。

入試の成績ランキングの上位者には入学金免除、授業料免除等の措置で学費が一部または全額無料になる大学もあります。

奨学金制度を用いて医師として働きながら学費を返していく制度もあります。

学費に関しては、各制度一覧をよく比較して検討してみてください。

私立大学医学部の場合、学費一覧を見ると安い大学である程偏差値が高く、受験競争も激化している傾向にあります。

卒業することは国公立よりも私立の方が厳しいため、国家試験の合格率高い順のランキングでは国公立に負けない大学も数多くあります。

医学部の学費以外の関連支出

医学部の学費以外の関連支出

基本教材費(医学書、CBT・国家試験対策費用)

医学部の6年間で必要な教材費用は平均で10万円~20万円程度と言われています。

医学書は有名な「病気が見える」シリーズをはじめ、「標準」シリーズなど一冊1万円程度です。

全巻集める人もいますが、先輩やフリマアプリを駆使して安く手に入れることも可能です。

また、最近では電子書籍の普及によりiPad等のタブレットに入れて持ち運ぶ人が多いです。

さらに、学年が上がるとCBTや国試といった大きい試験の対策を行っていく必要があります。

最近はそちらも配信での映像講義が主流で、価格も値下げ等でかなり下がっており、医学部の学生にとってはありがたいです。

現状、医学部5年生の筆者で、教材費にかけた額は20万円までいかない程度です。

部活、交際費

医学部のサークルや部活は、OB・OGの医師の先生方の権力が強いこともあり、飲み会や新歓コンパ、他大学・保健学科との交流戦のための遠征など大きな出費を伴います。

私は現在、ゴルフ部と茶道部に入部していますが、コロナ前は年間5~10万円程度旅費や道具代、新歓代に消えていました。

さらに、同期や実習班でのお疲れ様飲みや、プレゼント、デート代等含めるとなぜか月3~4万円は使っていたと思います。

生活費

大学生になり、一人暮らしを始める人も多いですよね。

これは他学部の人とも共通することなので、一人暮らしの必要経費一覧のようなサイトを参照ください。

簡単な概算ですが、地方でキャンパスまで車が必要な医学部の場合、家賃が月5万円、120万円で自動車購入、駐車場代で月5,000円という設定で6年間一人暮らしだと、維持費含めて約800万円必要になってきます。

そこに食費や雑費等も含めると1000万円以上かかってくることになります。

医学部の学生とはいえ、いち学生です。

アルバイトをしながら生活費と学費、必要経費を差し引いた自分で使える額は微々たるものなので、医師の家系や親が余裕のある家庭でない限りは医学部だからと言って決して裕福な暮らしができない、ということは知っておくべきです。

実家暮らしであれば、その点免除される費用も多いため、学費以外で自分の趣味や買い物に使える額もかなり大きくなります。

その他必要経費

その他の必要経費というのは、実習のための教材(聴診器や白衣等)、予防接種、CBT・国家試験受験料です。

実習のための教材として、聴診器や白衣は学校での販売や自分での購入もできますが、初めての自分の仕事着でありいいものを身に着けたいですよね。

その他医学部用のスケッチブックや色鉛筆、解剖用品セット等入学後必要になるものも合わせると5~6万円前後になると思います。

予防接種というのは、医療従事者は原則、B型肝炎等のウイルスの抗体保有者という条件があり、抗体がない人は追加で接種する必要があります

それも、数回接種しても抗体が増えない人もいて、回数も人それぞれです。

また医学部入学後、抗体がまったくない人にとっては数万円程度の出費となります。

また、CBT・国家試験受験料があります。

これらは、医師になるうえで必要な資格であり、納めなければならないものなので仕方ありません

医学部4年次で受験するCBTは受験料で約3万円、国家試験は免許登録料含めて約8万円と決して安い金額ではありません。

医学部の試験で再試験や留年等になるとその都度その金額がかかってしまします。

さらに、私立大学は医学部の試験も含め様々な講義の試験で再試験にかかると、再試験料が必要になります。

学費だけでも高いのに、私立の再試験は1科目数千円~1万円程度であり、これもその人次第ではありますが、多少運が必要な所でもあります。

医学部での実習中、診療科や研究室によっては学費とは別に手出しして海外留学に行くことも可能です。また、他学部への編入や大学院への先行した進学なども可能な大学もあります。

まとめ

医学部入学後も特殊な環境ゆえに、多くの出費があります。

学費含めて、自分がアルバイトでどの程度稼いで、どの程度親に頼り、奨学金制度等を利用して生活していくか、特に私立の方は医学部合格後早めに考えておくことをおすすめします。

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