医学部の女子割合(比率)は増えた?おすすめ大学や勉強法も解説

医学部医学科の入試差別発覚後の女子比率の変化を解説

今回は不正入試発覚後に医学部医学科の女子割合(比率)どう変化したのかについて解説しています。

医学部入試において、女性の差別問題が発覚したというニュースをみなさんは覚えていますでしょうか。

医学部受験に興味を持っている受験生の多くは、この事件に大きな衝撃を受けたことでしょう。

しかし、実際にどのような不正が行われて、現在の医学部の女子比率がどういったものになっているかということまでは知らない受験生がほとんどでしょう。

そこで、本記事では医学部入試における女子差別が一体どのようなものだったのか、現在の女子の合格者率はどうなっているのか、女子比率の高い医学部はどこなのかといったことに関して解説していきます。

目次

女子・女性の医学部入試選考問題について

女子・女性の医学部入試選考問題について
2018年に、東京医科大学が女性受験者の成績を操作、具体的には女子受験生が不利になるような一律減点等を行って、合格者数を減らしていたことが発覚しました。

この事件は、昨今の医師不足の中での医師養成現場とも言える、医学部設置大学における性差別の問題が深刻で非常に根深いものであるということを示すものでした。

この問題は、当然のことながら東京医科大学だけでなく、他の医学部大学でも同様の問題があるかもしれないといった疑念を呼び起こし、その後、厚生労働省によって他の大学でも調査が行われました。

その結果、女性受験者に対する不適切な採用対策が行われていたとして、多くの大学が謝罪することとなりました。

具体的には、2018年10月15日に昭和大学、11月22日に神戸大学、12月8日に岩手医科大学、金沢医科大学、福岡大学、12月10日に順天堂大学、北里大学、12月12日に日本大学、聖マリアンナ医科大学が医学部受験において得点の調整を行っていたということを公表し、計10大学の医学部が募集要項には記載のない不適切な得点調整を行っていたことが明らかとなりました。

全国約80の医学部設置大学のうちの10大学ですから、非常に多いですね。

この問題が発覚したことにより、本来なら合格することのできた優秀な受験生が医師になるための道を不正に閉ざされてしまうことのないよう、医学部設置大学における性差別を解決するための根本的な改革が必要であることが明確になり、多くの大学が改善策を進めてることとなりました。

いかなる理由があったとしても、このような差別は許容されるものではありません。

直近三年間の医学部女子合格率について

直近三年間の医学部女子合格率について
では次に、直近3年間の医学部入試における女子の割合について解説していきます。

参考として、文部科学省による「医学部医学科の入学者選抜における男女別合格率について(令和4/3/2年度入学者選抜)」を用いています。


参考リンク:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1409128.htm

国立大学・公立大学・私立大学の順に、各年度の男性合格者率及び女性合格者率を見ていきましょう。

今回は男性・女性それぞれの合格者率を指標として用いていますが、合格者率は合格者数/受験者数となっており、そもそもの受験者数に大きく影響されますから、その点は注意して下さい。

国立大学 男性
合格者率
女性
合格者率
令和
4年度
33.2% 29.9%
令和
3年度
32.0% 30.3%
令和
2年度
30.2% 26.4%
公立大学 男性
合格者率
女性
合格者率
令和
4年度
39.1% 32.5%
令和
3年度
33.8% 32.1%
令和
2年度
37.8% 29.4%
私立大学 男性
合格者率
女性
合格者率
令和
4年度
10.1% 9.8%
令和
3年度
9.5% 10.4%
令和
2年度
8.6% 8.6%

まず全体の傾向として、私立大学の令和3年度の結果を除いて男性合格者率が女性合格者率を上回っています。

しかし、最も大きく差がついている公立大学の令和2年度の結果ですら男女での合格率の差は8.4ポイントとなっており、少なくとも直近三年間に限っては明らかに女子の医学部入試が不利になっているということはないようです。

さらに、私立大学の令和3年度の結果では、女性の合格者率が男性合格率を上回っていますね。

なお、国公立大学医学部の合格者率が男女ともに30%付近であるのに対して、私立大学医学部の合格者率が男女ともに10%付近であるのは、単純に私立大学医学部では受験者数が多くなっているために合格者率が相対的に下がっているからです。

女子比率の高い医学部設置大学トップ10(2022年度結果)


では次に、女子比率の高い医学部設置大学トップ10を見ていきましょう。

先ほどと同様に、文部科学省による「医学部医学科の入学者選抜における男女別合格率について(令和4年度(2022年度)入学者選抜)」を参考にしてランキング表形式でまとめました。

大学名 女性
入学者割合
男性
入学者割合
1位 東京女子医科大学 100 0
2位 聖マリアンナ医科大学 63.5 36.5
3位 東邦大学 52.5 47.5
4位 金沢医科大学 52.3 47.7
5位 順天堂大学 50.7 49.3
6位 佐賀大学 48 52
7位 埼玉医科大学 47.7 52.3
8位 弘前大学 47.3 52.7
9位 琉球大学 47.3 52.7
10位 杏林大学 47 53

上のランキングを見ると、上位10大学のうち私立大学が7校、国公立大学が3校という結果になっています。

ベスト5に至っては、完全に私立大学が独占してしまっていますから、女子比率の高い医学部というのは私立の医学部設置大学に多い傾向にあるようです。

ただしもちろんこれはあくまで現状のデータでしかない上に、2018年の不正入試の結果を受けて医学部受験業界は変わりつつあるということなので、ここから大きく順位が変わっていくということも考えられます。

おすすめの勉強法

おすすめの勉強法

一般的に、女子受験生は受験科目の中でも特に数学が苦手だという傾向が強いです。

したがって、今回は、医学部受験の中でも特に数学の勉強方法に焦点を当てて、どのように勉強を進めていけば良いのかということに関して簡単に説明していきたいと思います。

医学部受験全般として

数学の勉強法について解説する前に、そもそも医学部受験に取り組む上で、受験を成功させるために心がける必要のあることに関して解説していきます。

1. 医学部入試の特徴を理解すること

医学部入試は、もちろんのことながら国公立・私立大学によって出題形式や試験科目が異なります。

出題範囲や難易度も大きく異なるため、それぞれの大学の入試情報を調べ、入試の特徴を理解することが重要です。

したがって、過去問研究が非常に重要となってきます。

2. 実現可能な長期的な計画を立てる

医学部入試は他学部の入試に比して非常に難関であり、受験生は長期的な計画を立てて、計画的に勉強することが必要です。

短期間の詰め込み学習でどうにかなるような甘い試験ではないので、しっかりとどの時期にどのレベルの演習を行うのかということも含めて自分の学力と受験校のレベルを照らし合わせつつ計画をブラッシュアップしていくことも必要です。

3. 自分の医学に対する軸を確立する

多くの医学部入試では、面接や小論文が課されることになります。

したがって、自己表現力を高め、自分の考えを文章であっても口頭であっても明確に伝えることが求められます。

そのために、受験生は医療現場に触れることのできるような機会を持ち、具体的にどのように医療に興味があるのかということを自分自身で深掘りしていきましょう。

4. メンタルを保てるような工夫をする

前述の通り、 医学部入試は非常に難関であり、合格するためには粘り強い努力が必要です。

医学部受験生の中には長い受験期間で疲弊したり、模試の結果を見て挫折してしまう方も多くいます。

したがって、自分で自分のメンタルを保つことのできるような工夫を考えておくことが重要です。

気分が行き詰まったときにどのようにリフレッシュをするのかを考えたり、同じようなレベルの医学部志望している友人と一生に勉強したりと自分の性格に合わせて考えていきましょう。

また、3で話したことと多少被ってしまいますが、自分の中でなぜ医師になりたいのか、という軸を持っておくことで、多少気分が落ち込むような事態になってしまってもその夢の実現のためだと自分を鼓舞することができるため気持ちを保ちやすいです。

数学

では次に、数学の勉強方法について解説していきます。

1. 基礎を徹底的に理解する

やはりまず最初は、数学の基礎となる各の定義や定理をしっかりと理解することが重要です。

この際には、学校で配布されるような教科書を一通りさらっていくことが最短の方法となるでしょう。

定理は、どんなものなのかということだけではなく、照明までできるようにしておくことがベストです。

証明方法がわかると、その定理をどんなタイミングで運用するべきなのかがわかってきます。

これによって、しっかりと基礎を固めることができれば、複雑な問題をより簡単に解決することができます。

複雑な問題も結局は基礎の組み合わせですから、基礎をおろそかにしないようにしましょう。

2.網羅的な問題集で演習を積み重ねる

基礎が固まったのちに数学を学ぶのに最も効果的な方法は、演習量を積んでいくことです。

毎日少しでも良いので、問題集に触れるように勉強するようにしましょう。

最初は教科書レベルの網羅的な問題が載っているものから始めていきます。

それが終わったら、さらにハイレベルな問題集と共に、自分の苦手な分野に特化した問題集を一冊やり込むのも良いでしょう。

3.過去問を解く

最後の総仕上げとして、自分の志望している大学の過去の入学試験問題を解くことにより、実際の試験に近い形式の問題を練習することができ、かつ自分の実力を測ることができます。

また、大学によっては、試験問題の傾向に大きな特徴がありますから、試験問題の特徴も分析しましょう。

以上のように数学を学ぶためには、基礎を徹底的にした上で、演習を積み重ねていくことが重要です。

努力がダイレクトに反映される科目ですから、モチベーションも保ちやすいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

医学部受験における女子差別問題の概要やの男女別の合格者率、そしておすすめの勉強法などについて見てきました。

前述の通り、以上のデータを見る限りは少なくとも直近三年間は女子を不当に差別しているという大学は少ないでしょう。

ただし、各大学ごとのデータが気になる場合は文部科学省のデータから自分の志望している大学の合格者率のデータを確認することをお勧めします。

また、医学部受験においては今回お知らせした以外にもさまざまな考慮事項があります。

現役受験生や浪人生の合格割合であったり、教育・研究体制の特徴や医学部生活がどうなっているのかということ、そして面接が受験で用いられるのかどうか。

また、東大や筑波大学、慶應大学を始めとする医学部以外にも工学部などを有する総合大学なのかはたまた日本医科大学や獨協医科大学のように医学部が主となっている大学なのか。

みなさんの人生を左右する大学受験ですから、ぜひたくさん悩んで絶対に後悔のないような選択をして下さい。

受験生活がうまくいくことを祈っております。

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