医学部再受験生・多浪生に強い医学部予備校を解説
社会人になってから医学部再受験を決意する人が増える傾向にあります。
その人たちの多くは、現役生のころに医学部進学を経済的な理由で断念したが、社会人になってもあきらめきれず再挑戦するというパターンです。
しかし、医学部受験は難化する一方で、そのうえ医学部再受験生は年齢によるハンディが少なからずあると言わざるを得ません。
そこで今回は、医学部再受験に挑む際に知っておきたいことや、医学部再受験に強いことで知られる医学部予備校について解説していきます。
医学部再受験生・多浪生こそ医学部予備校の利用がおすすめの理由
医学部再受験でも臨床検査技師や看護師など医療関係者の場合は別ですが、それ以外の公務員や会社員、文系学部出身者、および5年6年と浪人を繰り返している多浪生には、医学部専門の予備校で学習することをおすすめします。
その主な理由として次の4点が挙げられます。
1.受験情報が豊富で、医学部合格率が高い
社会人から医学部再受験に挑戦する場合は、より多くの受験情報を集めて対策を講じないと合格は難しくなります。
たとえば、2021年度からセンター試験は共通テストに変わり、受験した生徒の間では問題が難化したという声が上がっています。
それ以前のセンター試験を経験した人が国公立の医学部再受験を目指すのであれば、対策を全面的に見直す必要があるでしょう。
これより少し遡ると、2015年から高校の数学や理科の教育課程が変わりました。
入試問題も新教育課程を反映したものとなりましたから、それ以前の教科書で学んできた人は新教育課程に対応した参考書で学習をやり直さなければなりません。
こうした学習は独学でも不可能ではありません。
しかし、1年でも早い合格を目指すのであれば、受験に関する最新情報と過去のデータが豊富で、再受験生の合格実績の高い医学部予備校で指導を受けるのが一番です。
2.生徒個人に合わせたオリジナルカリキュラムで短期合格に導く
医学部予備校の授業形態は、1クラス10人以下の少人数集団指導、講師と生徒が1~3名の個別指導、講師と生徒が1対1の完全個別指導の3パターンに大別できます。
個別指導では、最初に現在の学力を判定するためのテストを行い、その結果と志望校の出題傾向に合わせたオリジナルカリキュラムを作成し、「今やるべきこと」を明確にして着実に学力を伸ばしていきます。
1対1のマンツーマン指導では、苦手科目をつぶすために集中講義を行うことも。
また、入試当日から逆算して直前期、冬期、後期、夏期、前期と時期ごとの目標を立てて学習スケジュールを作成し、それを生徒自身がよく理解してからスタートする医学部予備校もあります。
大学の出題傾向はそれぞれ異なります。
各大学の偏差値や難易度ばかりを見て過去問に振りまわされているような受験生もいますが、志望校の出題傾向を正しく把握し、合格ラインと自分の学力の差を認識して計画的に勉強を進めることが重要です。
3.医学部合格を左右する面接対策も万全
国公立・私立を問わず医学部受験の「最後の壁」と言われる面接。
学科試験で合格点を取っても二次試験の面接で落とされるケースが少なくありません。
面接の形式には個人面接、集団面接、集団討論、MMI(Multiple Mini Interview)型があります。
どの形式にしても面接の目的は、大学のアドミッション・ポリシー(大学の求める学生像)にマッチするか、医師としての資質・適性があるかを見極めるためです。
医師に求められるのは、医療現場での臨機応変な対応力やコミュ二ケーション力です。
これが正解というものがないことを質問されますから、マニュアル通りの応答では医師には不適格と評価されてしまいます。
面接も鏡に向かって一人で練習できますが、本番では医学部教授や現役の医師と応答することになるので、本番に近い雰囲気で対応力やコミュニケーション力をつける訓練をすることが大切です。
また、「圧迫面接」といわれる受験生泣かせの面接が行われることも。
面接官がわざと受験生が答えに窮するような質問を投げかけ、その反応を見て知識の深さ・幅広さなどを評価するのが目的とされています。
しかし、再受験生に対しては、現職を辞めて医学部に入りたいと思った理由を根掘り葉掘り聞いたり、「うちの大学でなくてもよかったのでは?」などと意地の悪い質問をする場合もあります。
医学部予備校では、そうしたことも想定して模擬面接を実施し、どのような質問にも冷静に、誠実に、自分の言葉で応答できるように指導しています。
4.年齢差別のない寛容な大学へ的確に進路指導を行う
医学部再受験の要件に年齢制限はなく、40歳でも50歳でも受験することは可能です。
しかし、国公立と私立それぞれに、医学部再受験生を受け入れることに寛容な大学と非寛容な大学があるのが現実です。
2018年に東京医大で女子や多浪生に対して不適切な得点操作をしていたことが発覚し、その後、文部科学省が年齢や性別を理由に不利な扱いをすることを禁止したため、以前のように不正は行われなくなりました。
とはいえ、医師一人育成するのにかかる費用は5千万円とも1億円とも言われますから、大学側には、医師として活躍する期間ができるだけ長い受験生を合格させたいという意図があることは否定できないでしょう。
学科試験での得点操作ができなくなったとしても、二次試験の面接は点数化されないか、採点基準があっても公表されないため受験生にはわからないまま不合格という結果になる場合もあるのです。
それを避けるには、再受験に寛容な大学と非寛容な大学を見極めたうえで志望校を決めることが大切です。
以下に再受験に寛容な大学と厳しい大学を挙げてみますが、国公立も私立もこれはごく一部です。
医学部予備校ならもっと詳しい情報をもっていて、志望校選びから受験対策までしてくれるので、短期合格の確率も高くなることは確かです。
医学部再受験に寛容な大学
国公立大学 | 私立大学 |
---|---|
東京大学 | 国際福祉医療大学 |
山梨大学 | 杏林大学 |
滋賀医科大学 | 聖マリアンナ医科大学 |
大阪大学 | 日本医科大学 |
岡山大学 | 近畿大学 |
九州大学 | 久留米大学 |
医学部再受験に厳しい大学
国公立大学 | 私立大学 |
---|---|
北海道大学 | 自治医科大学 |
秋田大学 | 東京慈恵会医科大学 |
群馬大学 | 慶応義塾大学 |
筑波大学 | 順天堂大学 |
愛媛大学 | 東京女子医科大学 |
徳島大学 | 産業医科大学 |
医学部に学士編入する方法もある
医学部に入り直すには、一般選抜試験のほかに学士編入試験を受ける方法もあります。
2022年現在、学士編入制度を設けているのは国公立医学部が27校、私立大学は岩手医科大学、北里大学、東海大学の3校です。
なお、東大のように東大卒業生の編入のみで、他大学からの編入は受け入れないとする大学もあるので確認が必要です。
編入時期は大学や学部によって異なりますが、医学部は2年次編入が一般的。
2年次から再スタートすることになるので、学費その他にかかるお金と修業期間を1年分カットできる点がメリットです。
学科試験は、英語と生命科学(生物学、生理学、生化学などを含む学問)の2科目の大学から、英語と理科3科目に数学を加えて計5科目を課す大学までさまざまです。
試験科目が少ない大学のほうが対策は楽のように思いますが、編入試験は定員が少ないので倍率が非常に高く、試験科目が少ない大学は人気も高いため超難関となっています。
合格者の経歴を見ると、歯科医や薬剤師、理系メーカーや製薬会社の研究職といったケースが多く、大学院を修了している人が多い傾向があります。
学士編入で合格するには、修士課程を修了していて、医学を学びたいという意志を強くアピールできる人ほど有利になると言えるでしょう。
しかし、学士編入に関する情報は少ないため、こうした対策も一人ではなかなかうまくできません。
学士編入試験を受ける場合も一般選抜と同様に、医学部専門予備校を上手に活用することをおすすめします。
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