【医学部医学科】入試偏差値・学生生活・卒業後の進路を紹介

医学部医学科の入試情報から入学・卒業後のキャリアパスまで解説

医学部医学科の入試難易度から入学後の学生生活並びに卒業後の進路について説明しています。

医学部再受験において、その動機は「医師になりたい」ということになりますが、その為に必ず通らなければならないのが「医学部医学科への合格」という条件です。

そして、合格後も、医学部医学科で勉強を重ね、医師国家試験に合格しなければなりません。

今回の記事では、普通の生活ではなかなか得ることが難しい、医学部医学科についての情報を、現役医学科生の筆者が紹介していきます。

それでは、見ていきましょう!

目次

医学部医学科の入試偏差値情報【2023年度】


まずは、医学部医学科の入試難易度についてです。

このサイトでは、医学部医学科の入試難易度ランキングも公開していますので、こちらも参考にしていただければ幸いです。

医学部の偏差値ランキングはこちら

さて、他の学部の入試難易度も挙げながら、幾つかの国公立大学の入試偏差値を紹介していきます。

  • 東京大学理科三類:二次試験偏差値72.5
  • 東北大学医学部:二次試験偏差値67.5
  • 東京大学理科一類(非医学部):二次試験偏差値67.5
  • 筑波大学医学類:二次試験偏差値65(共通テスト得点率82%)
  • 京都府立医科大学:二次試験偏差値65(共通テスト得点率79%)
  • 京都大学理学部(非医学部):二次試験偏差値65
  • 愛媛大学医学部:二次試験偏差値65(共通テスト得点率77%)
  • 琉球大学医学部:二次試験偏差値62.5
  • 大阪大学理学部(非医学部):二次試験偏差値60-62.5

以上のように、国公立大学で最も偏差値的に入りやすい医学部医学科のひとつである琉球大学でも旧帝国大学の理系学部を超える偏差値が必要である他、医学部医学科のなかの平均的な難易度である大学でも京都大学理系学部レベル。

旧帝国大学や首都圏の大学のようなレベルの高い大学は、東大を超える難易度を誇ります

私立大学でも多くの大学がそのような傾向があり、最高峰の慶應義塾大学医学部医学科は東大レベルを優に超えます。他の私立大学医学部医学科も、早慶レベルを超えるような偏差値が必要になっています。

仮に編入により大学に入ろうとする場合でも、医学部医学科はたいへんに狭き門であり、非常に多くの勉強が必要となります。

このように、医学部医学科の難易度は非常に高くなっているのです。

医学部医学科の学生生活;筆者の体験をもとに紹介


さて、次は医学部医学科に入学してからのお話です。

大変な医学部入試に合格した後も、医師を目指しての日々は続きます。

今回は、6年間の流れを、筆者の大学の例を中心にしながら紹介します。

1年-2年:大学への慣れ・基礎教育の時期

まず、入学したての1年~2年の時期です。

この時期は、基礎教育として英語や生物・化学の勉強を固めながら、少しずつ医学専門的な勉強へと舵を切っていきます

他の学部も存在するような総合大学だと、全学教育といって他の学部の学生も履修するような哲学・美術学といった科目も履修することができます。

自分で時間割を決められるのはこの時期だけなので、医学専門教育とのバランスを取りながら好きな科目を履修しましょう。

また、入学したてのタイミングで、医学部部活・サークルからの新歓が行われます。

これらに入るか迷う人もいると思いますが、筆者の体感では8割以上が何らかの部活・サークルに入ります。

その最大のメリットは、人脈作りができるということです。

医学部の勉強を乗り切ったり、様々な困難がある中で、同じ医学部医学科の先輩や同期とのつながりができるのは、非常に大きいのです。

特に、実習の情報や過去問共有・試験勉強の情報共有が為されることもあり、何らかの団体に所属している人の方が成績もいい傾向があります。

2年-4年:医学専門教育の勉強が本格化

さて、2年生後半になってくるとだんだんと医学専門教育が本格化してきます。

皆さんが想像するような医学部医学科の勉強、たとえば解剖実習や薬理学などの勉強は、この時期に行われることが多いです。

また、どうしても専門的な勉強が増え、他の学部の学生とスケジュールに違いが生じたり、医学科内で勉強会を開きがちになったり、そもそもキャンパスが違ったりするため、医学科以外とのつながりが減り始めてしまう時期でもあります(他の学部・学科の学生とのつながりを保ちたい場合は、全学やインカレの部活・サークルに参加するのがよいでしょう)。

勉強が本格化することで、再試・留年の危機も生じ始めます。

カリキュラム上どうしても日程が過密になるうえ、難易度も高い試験が多い結果、一度の試験で合格できない人も現れ始めます。

留年率は大学によってまちまちですが、概ね1学年当たり1割~2割、多い学年は3割近くが留年することがあります。

もし医学部医学科に合格した場合は、これらの再試・留年を回避するため、試験を合格できるように勉強会を開いたり、過去問を入手したりするとよいいでしょう。

しかしながら、1年の時よりも生活自体には余裕ができてくるため、バイトや研究室通い・起業やインターンなどを始める人も出てきます

医学科生のバイトとしては、塾講師が多くなるという特徴があります。特に「医学部医学科」というブランドは強く、人伝のスカウトで時給3000円を超える高校生向けのバイトを始める人が居たり、家庭教師で時給2000円台後半の案件を複数抱える学生もいます。

いわゆる大手の塾でのバイトを行う場合でも、採用には有利に働く場合も多く、多少の融通を聞かせてくれることもあります。面接の時点でほぼほぼ採用となる場合も多いです。

研究室に関しては、自分からメールを送って通い始める場合が多くなりますが、大学の中にはカリキュラムとして研究室に配属する期間が決まっている場合もあります。

研究室の雰囲気はその研究室ごとに様々で、すべて英語を使う場合もあれば、いわゆる「ブラック研究室」「ホワイト研究室」と呼ばれるものに配属される場合もあります。

大学時代に英語論文まで書ききる例は少ないですが、学会参加は思った以上に一般的です。就職(マッチング)にも、それらの経験は有利に働くでしょう。

起業の例はかなり少ないですが、医療系のベンチャー企業を立ち上げたり、大学入試をはじめとした教育系のコンテンツを扱う会社を立ち上げたりとその医学部医学科である立場を生かしたものが多いです。

インターンや学生団体も、そこまで例は多くありませんが、医学生という立場をうまく活用して募集を見つけてくると、参加することができます。筆者の知り合いの中にも、学生団体での活動を頑張り知事と対面したという例があります。

また、3年から4年にかけては医学部部活の幹部代となります。

主将や主務となった学生は非常に大変な仕事を行うことになりますが、東日本/西日本の医学部生・医学科生が集まる大会である「東医体」「西医体」にむけ、大学ごとに努力を続けます。

4年-6年:臨床実習、そして医師国家試験へ

大学生活も残り2年に近づいてくると、「CBT」(ペーパー試験)「OSCE」(実技試験)という大きな試験を受けることとなります。

これは、全国の大学の医学部医学科で共通して行われている試験であり、合格する(大学ごとに設定されたボーダーラインを突破する)ことで臨床実習に進むことのできる、いわば大学在学中のプレ国家試験のようなものです。

このCBT・OSCEに合格すれば、晴れてベッドサイドでの臨床実習が開始となります

この期間は試験がない大学が多く、医師国家試験の合格に向けた勉強を行いながら、残り少ない大学生活を楽しむ学生が多いです。

そして、6年生になると「マッチング」が始まります

これは、医学科生においての就職活動のようなものです。

5年ごろから病院見学を行い、病院ごとに定められた採用試験(面接やペーパー試験など、病院によってさまざまな試験が行われます)を受けながら、希望する病院に優先順位を付けます。

そして、病院側も学生の優先順位を設定し、それらの内容に基づいて採用される病院が決まるという物です。各病院ごとに人数が決まっており、将来に関わってきますので、どの大学の医学科生もしっかりと対策を行います。

マッチングの結果が示されたのと同じようなタイミングで、卒業試験と2回目のOSCEが行われます

そして、その卒業試験・OSCEの合格者が医師国家試験へと進み、これに合格することで晴れて医師となります

なお、卒業試験やOSCEと違い、医師国家試験はペーパー試験一発勝負になります。

卒業後はどのような進路へ進む?

卒業後はどのような進路へ進む?
さて、医学部医学科を卒業し晴れて医師となった後は、どうなるのでしょうか?

殆どの医師は、医学部医学科卒業後マッチングした病院で初期研修を2年間行います

そのあとの進路は「後期研修医となり専門医資格取得を目指す」のが一般的ですが、大学に戻って研究を行うために大学院に進む例もあります。

医学部医学科を卒業した場合、大学への在学が2年長いため、一般的な学生における「修士」の期間がなく、3年のみの大学院在学(研究室配属)で博士号を取得できます。

そして、最終的には市中病院で医療に従事したり、大学で研究を続け教授を目指す・医学部医学科の学生に教鞭をとるという道の他、官僚や会社員として働く・起業するというコースもあります。

医学部医学科を卒業し医師となれば、最低限の収入は確保できるため、未来のコースは大きく広がるのです

まとめ

以上で、医学部医学科の紹介は終わりになります。

非常に入ることが難しい医学部医学科。大学入学後も大変なことは多いですが、卒業後は幅広い選択肢を取ることができるようになります。

医学部医学科の受験は決して簡単なものではありませんが、目指す価値は大いにあります。本サイトや、各種の参考書・医学部専門予備校などを大いに活用して、合格を目指しましょう!

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