医学部入学から大学卒業まで何年かかる?

医学部入学から大学卒業まで何年かかる?

医学部入学から大学卒業まで何年かかる?

医師になるために大学の医学部医学科に入学してから卒業するまでに何年の期間を必要とするのか。

目次

医学部入学から医師になるまでに必要な時間を解説

医学部医学科は6年制ですが、他学部よりも進級が厳しいため何年も卒業に時間を費やす学生もいます。

しかも、医学部医学科は超難関入試であるために合格するために何年も浪人する人も。

そこで、医学部医学科に入学してから卒業までに一体何年くらいかかるのかについて詳しく解説していきます。

医学部受験は何年で合格できる?

医学部受験は何年で合格できる?
医学部は超難関試験であり、偏差値も60以上は最低必要と言われています。

したがって、現役で合格できないケースも珍しくなく、2浪や3浪を経験している人も少なくありません。

しかし、最近の医学部入試の傾向として年齢の若い学生を欲しているのか、一般入試の定員を減らし、推薦の定員を増やしている大学が増えています

推薦入試の場合、受験資格の年齢が制限されており、多くの医学部は1浪までが多いのが特徴。

したがって、今後は浪人を重ねるとそれだけ合格できる可能性も低くなってくることが予想されます。

年齢別合格者割合(2018年度実施分)

こちら文部科学省が平成30年度に実施した緊急調査の結果速報のデータを基に当サイトで編集したものです。

合格者数を見ても分かるように、現役生および1浪生の合格者数が圧倒的に多く、過半数を超えています。

2浪すると合格者数の割合は2割程度となっており、やはり1浪までで合格できるかがカギとなりそうです。

合格者数 割合
18歳以下 4898 36.5%
19歳 4823 36.0%
20歳以上 3688 27.5%
合計 13409 100.0%

入学から卒業までの主な試験

入学から卒業までの主な試験

入学

壮絶な医学部受験を切り抜けてきた医学部生ですが、ここからがさらに大変な勉強の日々です。

大学に入学してからは、定期試験のための勉強に多くを費やすことになります。

医学部のカリキュラムは、大きく3つに分かれています。

まず、国公立大学と一部の私立大学では、1年生の間は教養科目、2年生以降に医療にかかわる専門科目を学びます。

さらに、1、2年生の2年間で教養科目を学び、3年生から医学専門科目を学ぶ東京大学のようなカリキュラムパターンもあります。

それから、ほとんどの私立大学ですが、なんと私立大学医学部では1年生から専門科目を始める大学が多いです。

教養科目のある段階では試験はそこまで大変ではないですし、キャンパスも医学部のみではなく、他学部と関わる機会が多い期間で、本来は大学生というよりも医療従事者に近い医学部生が唯一大学生らしい生活を送ることができる期間とされています。

専門科目ともなると、本当に試験は大変です。

基礎医学に解剖、臨床医学と暗記のオンパレード。

試験に受からないと再試験、再試験に落ちれば再々試験、そして、しまいには留年が待ち構えています。

CBT/OSCE

地獄のような定期試験と進級を乗り越えれば、多くの大学で、4年生の終わりか5年生の初めから臨床実習が始まります

臨床実習はまだ医師免許を持たない学生が実際に病棟で行う実習であり、これに参加するためには、2つの試験を合格する必要がでてきます。

その2つの試験というのが、CBT(computer based test)と(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)です。

これら2つは大学4年生の夏から冬の間に行われ、これらに合格することで、診療参加型実習(クリニカル・クラークシップ:CC)に参加するための仮免許のようなものが得られるのです。

CBT共用試験では,臨床実習に必要な知識の理解を問う試験となっています。

30,000問以上といわれる大量の問題の中からランダムに選ばれた問題を解き、その難易度や正答率で%化されて、成績となります。

他の受験生とは解く問題が異なっているだなんて面白いですよね。

また、知識を問うCBTとは違って、医療面接や身体診察,手技などの基本的臨床能力を評価する実技試験という位置づけになるのがOSCEです。

模擬患者に対しての適切な診断、診察ができるかが問われ、最低限のコミュニケーション能力の有無も試されます。

2つの試験に合格しないと、ここでも留年が待ち構えています。

卒業試験

そして医学部を入学してから6学年無事に進級すれば、大学生として最後に待ち構えている試験、卒業試験の番です。

大学生の卒業と聞くと、卒業論文を思い浮かべる人が多いと思いますが、医学部では一般に卒業論文を設定している大学は少なく、卒業試験に合格することが医学部を卒業する基準となります。

卒業試験は科目数が非常に多くて、全部で30ほどある専門科目を何回かに分けて受験します。

時期は大学によって様々ですが、早い大学なら夏から、遅くても冬の間に試験があります。

この試験には普段の試験と同様に再試験が設定されていますが、とにかく科目数が多いですし、再試験にかかると卒業が決定する時期が遅れます。

この卒業試験に合格できないとすなわち国家試験を受験する権利を失い、6年生をもう一度繰り返す留年という結果になってしまうため、医師になるうえで欠かせない重要な試験なんです。

医師国家試験

留年と隣り合わせの厳しい6年を乗り越え、6年の夏から冬にかけて行われる卒業試験に合格すれば、もうあとは医師国家試験に合格すれば晴れて医師になることができます。

医師国家試験の合格率は、毎年90%前後。

90%という数字を見ると、非常に簡単でまるで受かりやすい試験のように感じられますが、この試験を受けている受験生が、すべて、医学部受験に合格し、医学部での試験地獄と進級を乗り越え、CBTやOSCE、卒試といった試験をクリアしてきた猛者だという事実を忘れてはいけません。

とにかくレベルが高い人たちが受験する試験ですから、周りに後れを取らないための勉強を必死にしなくてはなりません。

問題形式は様々ですが、2日間に分けて行われる試験で合計問題数は400問6科目となっています。

合格基準が少し変わっていて、必修問題や一般教養問題の正答率の他に、絶対に間違えてはいけない禁忌問題というのがあり、これを3つ以上間違えるとその時点で不合格となってしまいますよ。

臨床医として活躍するのに何年かかる?

臨床医として活躍するのに何年かかる?

初期臨床研修

臨床研修制度は全国にある国の指定を受けた研修病院に所属して、実際の現場で学び、臨床を通して知識やスキルを習得するために2004年より開始された制度です。

初期研修は、2年かけて基幹型臨床研修病院、協力型臨床研修病院および臨床研修協力施設(診療所、保健所など)をまわります。

初期研修では、一般的にすべての診療科を周り、臨床の基礎を学びます。

国の指定病院には、市中病院と大学病院とあって、医学生はマッチングによって研修先を選んで受験します。

受験のような形で、学科試験を設けている病院もあれば、CBTや国家試験の成績を見てマッチングする医学生を決めるところなど、マッチング方法は様々です。

病院によって、給料やローテーションする科目が違うので、この診療科に行きたい、などと希望があれば、そのようなローテーションを組んでいる病院に行くと良いでしょう。

後期臨床研修(任意)

初期研修を修了すると、後期研修がスタートします。

新専門医制度では専門医取得にかかる研修と呼ばれる期間となります。

後期研修は19におよぶ基本領域から希望先を選択して、専攻医として研修プログラムを受ける形の研修です。

初期研修では広く浅く学ぶのに対し、後期研修は将来的に専門とする科目、専門領域についてより深く学びます。

このころから、手術なども徐々に任されるようになり、医師としての責任感がより強くなるように感じられます。

専門医取得

後期臨床研修まで終えれば、ついに専門医試験を受験します。

合格率や難易度は専門科目によって様々ですが、一般的に合格率は7割~8割ほど。

受験者数は少なく、どの科目も数百人単位です。

難易度は、国家試験よりは易しいと言われているものの、専門科目によって違うので一概には言えません。

そしてこの試験に合格すれば、専門科目を持った一人前の医師にやっとなれるというわけです。

まとめ

今回は、医学部受験の話からは少し脱線して、実際に医学部に合格し、無事に入学出来たらそのあと何年で医師になれるのか、それまでどのような試験があるのか、さらには一人前の医師になるまで何年かかるのかについてお話ししました。

初期研修終了まででさえ、ストレートでも8年、さらに、専門医までとろうと思えば10年以上かかるということが分かったと思います。

本当に大変で辛い医学部入試ですが、その医学部入試は、医師になるうえでのただの最初の一歩でしかないという事実が理解できましたでしょうか。

医学部に合格後は試験と進級、留年との戦いです。

医学部に合格しても、医師にたどり着けない人が少なからずいるわけです。

医師を目指すいうのは本当にそれだけ険しい道を選ぶということです。

医学部合格を目指している受験生の皆さんへ。

険しい道を選んだからには、最後まで頑張りぬいてください!

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